「ねえ、せいじ先輩。 私を彼女にどうですか?」


「なななななな…何を言うとんねん!?」


「私じゃ、嫌ですか?」


しょんぼりしたような表情を見せる真帆。


「そうゆう意味ちゃうけど…」


やばい、焦って何言うたらいいか分からへん。


そう思ってたら真帆が噴き出したように笑った。


「あははっ! せいじ先輩って、ほんとウブなんですね!」


「は、はあっ!?」


「海から聞いてたけど、顔真っ赤にしちゃって…あはは!面白いっ!」


か、からかったな。コイツ…。


ああ、そうや!
俺は恋愛とかそんなん苦手やねん。


なのに色んなやつから相談とかはされるし、ほんままいるわ。


「あはは…笑っちゃってごめんなさい。 せいじ先輩って意外とカワイイんですね」


「やかましわ。 俺はもう帰るな」


「あっ!ちょっと待ってください!」


真帆は鞄をさぐった。
…どないしたんや?


「せいじ先輩、誕生日おめでとうございます」


…へ?
誕生日?


「海から、聞いたんですけど。 せいじ先輩、いっつも自分の誕生日忘れるって…。 だから。」


「俺の誕生日、明日やで」


「もう、今日ですよ」


時計を見たら、12時を過ぎていた。
ほんまや、今日や。


「もしかして、誘ったんもこれ渡すためやったんか?」


真帆は頷いた。


「いつもお世話になってるんで、お礼です」


そう言って、笑った。