「ほら、ついたで!」
「はい~、ありがとございます~」
まったく、世話のやけるやっちゃ。
「せいじ先輩…」
とろ~んとした顔でこっちを見る。
ちょっと色っぽ…って違う違う!
何考えてんのや俺は!
自分の邪念を振り払うように自分の頭を軽く殴る。
「せいじ先輩…」
顔、近いんやけど。
「な、なんや?」
「…吐きそう」
口を押えて青ざめる真帆。
「は、はよ言えや!」
真帆に家の鍵を渡すように言って、鍵を開け、ドアを開ける。
そして、真帆をトイレに押し込んだ。
吐く声で、もらいゲロしそうになってしまった。
「あー、スッキリした!」
「そうか、そりゃ良かったわ」
「あの、せいじ先輩」
まだ酒気が抜けないのか、真帆の顔は赤かった。


