「せいじ先輩だけなんです。 ちゃんと私の話聞いてくれるの」
そうか?俺もあんまり変わらんと思うけど…。
「なんか、器がでかいってゆうか…視野が広いっていうか…」
頭をグラグラさせて喋る真帆。
酔うてきたな、コイツ。
「尊敬します」
尊敬、ねえ…。
そんなんされても嬉しないけど。
「店員さん、ビールまだ!?」
催促すんな!
まったく、酔うとタチ悪くなるんは誰かさんと一緒やな。
「せいじ先輩~、もう一件いきましょうよお~」
フラフラとして目線も定まっていない。
こんな奴ともう一件行けと!?
「あかん! もう帰れっ! 送ったるから!」
「えー!」
えー!ちゃうわっ!
俺は真帆の腕を掴んで、家まで向かった。
「ちゃんと歩け!」
「歩いてますよー!」
どこがやねん!と頭をはたくと、痛いと言って笑っていた。
ほんま、この酔っ払いは手におえんわ!


