「ちょっと無理して、大人ぶるからや。 別れたくないんやったら別れんかったら良かったやんか」


「だってだって…あの二人、お似合いなんだもん。 私なんか、全然無理」


「お前も負けてないって」


「中身の問題だもん! 海とあんなに趣味合う人なんてなかなかいないよ」


それやったら悪女にでもなって、奪い取ったりしたらええのに。
でも、コイツはそんな事できるヤツじゃないんや。


美人なくせにネガティブっていうかなんていうか。


「まあ、二人とも俺から見たらただのアホやけどな」


「ぷっ、アホって…」


ケラケラと笑う真帆。
何かツボにでも入ったんやろう。


「ねえ、せいじ先輩。 今度飲みに行きません?」


「いらんわ! 酒の席でも愚痴こぼす気か! 後輩の相手で手いっぱいやねん」


「そーじゃなくて! オゴリますから。 いつものお礼に」


「女にオゴってもらうなんてできるか」


「じゃ、オゴリかえしてくれればいいです」


…なんじゃそら。