「どーせ、先生のお嫁さんとか言うんじゃないの?」


「んー。 それも考えてるけどね!」


「えー、違うの? じゃあなに?」


「秘密―!」


机に向って、参考書を開く。
日本史以外の教科は好きじゃないけど、やっぱ勉強しなきゃね!


「姫条さん…熱でもあるの?」


と、明石焼きくん。


…失礼な!


「明石焼きくんは、将来どーするの? 大学いって、その後就職?」


「ううん、家業継ぐよ」


「えっ!?」


家業…。家業って!



「明石焼き屋!?」


「違う!!」


えらい怒られた。


「クリーニング屋だよ」


「あー」


「なにそのどうでもよさそーな反応」


「明石焼きくんの好きな人って誰なの?」


「唐突だね!?」


え?そうかな?


結構前から気になってたんだけどな。
明石焼きくんはコホン、と咳をした。