次はせいじ先輩のクラスの日本史の授業。
例の、森本がいる。
今は生徒会長の吉川と付き合ってるらしいけど…。
姫条の事を諦めたとは限らない。
「え~、じゃあ次のページを…今日は26日だから、出席番号26番読んで」
そう言って立ち上がったのが森本だった。
真剣な顔つきで教科書を読んでいく。
確かに男の俺から見ても男前だと思う。
いつもは他の男子が本読みをしていてもまったく見ない女子が、ここぞとばかりに見つめている。
成績も優秀だし、授業態度も良い。スポーツも万能。
容姿端麗で人当たりもいい。
完璧すぎるほどだ。
姫条は、こんな男子とずっと一緒にいて一回もときめいた事が無いのか?
それは逆に、アイツの神経を疑いたくなるほど。
それほど、森本がかっこいいという事だ。
「先生、読み終わりました」
「あ、そうか。 ありがとう…」
なに、授業中なのにボケッとしてんだ、俺。
集中しろ、集中!


