お風呂から上がると、侍先生はまだビールを飲んでいた。


「侍先生、まだ飲んでるの~?」


そう言って近づいていくと、顔を真っ赤にしている先生。
それは私と一緒の事を想像していたから…ではなくて。


ただの飲み過ぎ。


「ちょっと侍せんせ……酒くさっ!」


「ちょ、お前。 臭いとか言うなよ~。 まだ若いんだからな、俺だって」


「加齢臭じゃなくて! お酒!」


「いーじゃねーか、ちょっとくらいー」


「ちょっとじゃないよ! 7本開いてるよ! ペース配分も考えなよ!」


「うっせーなー。 こっちだって緊張してんだよバカヤロウ」


そう言って机に顔をゴロン、とのせる侍先生。


あれ?侍先生、今なんて言った?


「侍先生、緊張してるの?」


「あたぼーよ、べらぼーめ」


そ、そうなんだ。


先生も、一緒の事…考えてたんだ。


「あ、あのさ…侍先生」


「え、なに? スルメイカがのび太くんでどうしたって?」


「もー! ちゃんと聞いてよ、酔っ払い!」


私は先生をグーで殴った。