「もう三年なんだぞ? ちゃんと将来の事も考えろ」


「え? ちゃんと考えてますよ?」


「ハ!?」


ハ!?って…。
失礼な!


ふくれっ面をすると、先生が人差し指をつきさして頬の空気を抜く。


「え? マジで? お前…将来何になりたいとか決めてんの? たこやき屋さんか? それとも織田信長のお嫁さんか?」


「違うよー! それは小2のときの将来の夢!」


「…じゃあ、何?」


「それは、秘密です!」


「なんだよそれ」


「ま、いーじゃないですか! それは進路相談のときに話しますよっ」


私は先生に背を向けて歩き出した。
まだ先生に言わないでおこーっと。


「皐月は、進路どーするの?」


「えー、大学行くけど」


「俺も俺も―」


聞いてないけど和也くんも答えてくれた。


「大学出て、そのあとは?」


「てきとーに職探す」


「…そんな投げやりでいいの?」


「いーのいーの」


「まいちゃんは何か考えてるの?」


「もちろーん」


二人は信じられないような表情をして、こっちを見ている。


皆失礼だな!
私ってそんなに考え無しに見えるのかな?