「やめとけよ」


と、ピシャリ。
侍先生が言った。


「なんでー」


「なんでも」


まったく、侍先生ってば冷たいんだから。



「あ、そうだ」


侍先生は思い出したように言った。


「お前、次の日曜空いてるか?」


「え? うん、空いてるけど…」


そ、それって…。
デートの誘い!?


きゃー!
久しぶりすぎる!!


ウキウキしていた私。
しかし、デートの場所は…。


「学校のクサむしりとか、詐欺すぎるううううう!」


麦わら帽子をかぶって、軍手をし、草むしりをする私。
せっかくの日曜日なのに、こんなのってない!!


「仕方ないだろ。 こないだの草むしりの日は誰も来なかったんだから」


「うう…」


グスグス言いながら草をむしる。
私って不憫すぎる。


「あれ? まいちゃん」


「あ! 澪ちゃん。 どうしたの?」


「園芸部の活動があって。 まいちゃんと倖田先生は草むしり?」


私はウンウンと頷く。


「じゃあ、私も手伝うよ」


「ほんとにー! 助かる!」


私は軍手をしたまま澪ちゃんの手を握って振り回した。