私はスキップをしながら侍先生のもとに向かった。
職員室のドアを開けて、叫ぶ。


「侍先生!」


「だから倖田だって何回言わせれば…」


「ちょっときてきて!」


私は先生の腕を強引に引っ張り、資料室に入った。


「あのさ…俺、仕事中なんだけど」


「いいじゃん!いつも仕事手伝ってるんだから!」


先生はハイハイ、と面倒くさそうにして、そのへんにあった椅子に座る。


「…んで? どうしたの」


「それがー、カツオと美智子ちゃんが付き合うことになったんだって!」


「…はい?」


「びっくりでしょー!? ねっ?」


「ああ…なんという急展開なんだ…」


「きっと、私の思いが神様に届いたんだよっ! 信長神様ありがとう~!」


「お前の神様は、信長なのか」


「あったりまえだよっ!」


「お前はなんもしてないだろ」


「う…まあそうだけど」


でも、嬉しいんだもん。思いが届くのって、どんなに嬉しい事か、私…知ってるもん。


「お前のその気持ちだけで、あのふたりは充分嬉しかったと思うけど?」


「そうかな?」


「ああ」


信長神様、どうかあの二人がうまくいきますように、お願いしますっ!
私は上の方を向いて、手を合わせたあと、お時儀をした。