ドライヤーを右手左手と持ち替え、慣れた手つきで乾かしていく。

でも、慣れているからといって手を抜くととんでもない事になってしまう。

全体的に乾いた髪に、さらに入念にブローしていく。


「よし。まぁ、こんなもんかな。」


ドライヤーのプラグをコンセントから抜いて、コードをくるくると巻きながら時計を見ると、すでに8時20分。


「ゲッ!完ぺき遅刻じゃん!」


ここまでくると、慌てるのをやめちゃうアタシ。
だって遅かれ早かれ、遅刻は遅刻。

人間諦めも肝心よね(笑)


カラになったコップとバナナの皮とドライヤー、そして頭に巻いてて湿ったタオルを持ち、ノラリクラリと立ち上がった。

起きた時の焦りようですら後悔する余裕もあるほどに。


両手いっぱいに持ったそれらを全て片付け終えた時、再度同じ失敗をしてしまった事に気付いた。


鏡…!


アタシって、よほど学習能力がないのね。。