その瞬間、あたしと蓮君は顔を見合わせた。


美雨ちゃんは上機嫌で鼻歌を歌いながら、花瓶を持ってリビングを出て行った。



「まさか……」


美雨ちゃんがいなくなってから、あたしは呟いた。


「はは……でも……ひょっとして」


蓮君も呟く。



「プッ……マジー?」


二人同時に吹き出した。


蓮君とあたしの予想が正しければ、美雨ちゃんは間違いなくあたし達のキューピッドだ。


だって“アジサイさん”がいなければ、あたし達は出会うこともなかったんだから。