鈍い音とともにあたしの体を走る痛み。


それが地面に打ち付けられたからだとわかるまで数秒かかった。


一瞬何が起こったのかわからなかった。


あたしは痛みに耐えながら重い体を起こした。


「大丈夫ですか?」


見知らぬ人があたしに声をかける。


あたしは大丈夫。


あたしは無事だった。



大丈夫じゃないのは……。