それからほどなくして店を出たあたしは、家に帰るためにバスに乗った綾乃を見送った。


もう夕方に差し掛かる時刻だというのに、太陽の日差しは容赦なくあたしに照りつける。

なんだか気力を吸い取られるような気がして足が重い。

あたしはとぼとぼと歩き出した。


――後悔しないために告白する。


さっきの綾乃の言葉が頭をぐるぐると巡る。

それでも答えの出せないあたしは、まるで迷路に迷い込んだ感覚だった。




――ドンッ


さっきからずっとぼんやりしていたせいで、誰かの肩とぶつかった。


「すみませんっ」


「いや、こっちこそ……って……あれ?」


聞き覚えのあるその声の方を向く。