「お~。若人は朝から元気みたいだね」 「おはよ、芽佳(めいか)姉。…ってか、起こしてよ?!」 「起こしてって言ってたっけか?」 「…もういいわ」 私は溜息をつきつつパンをほうばった。 「カナちゃん、駅まで送って行こうか?」 「お、ありがと。流石芽佳姉だね」 「全く…」 芽佳姉は苦笑しながら車の鍵を取りに行った。 幹也との約束の時間まで残り15分。 …これは遅刻確定かしら。 「あ~あ。何で幹也兄ちゃんもこんな姉貴に告ったんだろうか不思議だよね~」 「五月蝿い春樹。少し黙ろうか?」