握られた篤の手はまた冷たかった。 「ちょっと待って。話したいことがあるんだ。」 「ん〜何?」 「実は俺、これから少し行かなきゃいけない所があるんだ。」 「え──────・・・」 頭の中が真っ白になった。だって恋人になって初めてのクリスマスだよ。二人ですごいたいじゃん。篤はちがうの?! 「本当にごめん。あとちょっとしたら行かないといけない。」 「そっそうなんだぁ。ぢゃぁしょうがないよね〜」 私は溢れ出そうな涙をこらえながら無理やり笑った。