亜美の席は窓際側だから、私が今立っているドア付近から彼女の左側は見えにくかった。 ましてや、亜美は最初のうち目線だけを私に向けて、体はそのまま正面を向けていたものだから、全然分からなかった。 亜美の左頬は赤く腫れていた。 「ちょ、ちょっと!どうしたの、それっ!!」 亜美に近づいて問いただす。 近くでよく見ると、口の端も少し切れていたりして、とても痛そうだった。