「最初から、初めて会ったあの日から。好きになってた」


そう言って、唇に優しいキスをしてくれた。もう二度と触れあうことはないと思っていた唇。目を閉じる余裕もなくて、ポロポロと涙が溢れ出る。


「じゃあ、何で? 突き放したりするの?」

「俺が年齢を気にしてなくても、周りはそうはいかない。サクラ自身が傷つくこともあるかもしれないと思ったから」


何それ……。

周りの目なんてどうでもいい。和人さんが、私を好きでいてくれるなら堂々と前を向けるよ。


しがみついて泣く私を、和人さんは強く抱き締めてくれた。


「あの後、後悔したけどね。今日会えたら、もうひかないって決めてた。サクラは俺のものだから。他の男のところにはやらないよ」

「うん」


最初からそう言ってよ。憧れでも錯覚でもない。私はあなたが好き。


この想いは紛れもない事実……。