「……猫ってさ、自分勝手で気まぐれとか言われるけどそんなことないよね」 大事にすれば かわいがった分だけ きちんと甘えてきてくれる。 覚えてくれてる。 「サクラ、まだ寝てていいよ。昨日寝てないでしょ?」 「うん。手つないで」 私と和人の間にはスノーが寝ていて 和人は手をつないでくれて 一緒に寝てくれた。 別れてから初めてぐっすり眠れた気がする。 安心して 温かくて 夢も見なかった。 いつか このベッドに……もう一人家族を迎え入れようね――……?