大切な人って私……?
どちらか一方が会う意志をなくした時って……。
私のこと?
私、和人にずっと会いたかったよ。
溢れる涙。何度拭っても涙は止まらなくて。
「和人……私……」
私の言葉を遮るように、バックの中の携帯が鳴り響く。
「……出ていいよ」
和人に言われて携帯を取り出すと、真央からの着信だった。
『サクラ、今どこ?』
「もう会場の近くまで来てるの。ほら、中学の時にみんなで見たあの高台の道路」
『マジで!? 間に合うかな。とりあえずリョウくんを向かわせるから、早く合流してこっちに来て!』
「えっ……」
『時間がないからサクラも階段下ってきて!』
「時間がないって何が……」
一方的に言われて電話を切られた。何がなんだか分からない私。


