そのまま、私の隣に並んで空を見上げる人……。


「サクラは一人?」

「……友達と待ち合わせしてる。和人は?」


和人だった。私の問いかけに優しく笑って……。


「俺? 俺は……サクラを連れていくはずだった場所に来ただけ」


私と……。


一緒?



和人はずっと花火を見ていて、私は俯いて花火なんて見れなかった。


あんなに会いたかった人が目の前にいるのに……。


何を話していいのか……。


伝えたいことはたくさんあったのに……。



「……大切な人と二度と会えなくなるのは、どちらかが天国に行った時だけかなって思ってたけどさ」


和人は穏やかな口調でゆっくり話し始めて……。


私は花火の音とまわり歓声で、和人の言葉が消されないように


聞き逃さないように集中して、耳を研ぎ澄ました。



「どちらか一方が会う意志をなくした時も、二度と会えなくなるんだなって考えてた」