最後の一段を登りきると、一望を見渡せる道路に出た。


「やっぱり人はいるかぁ」


数組のカップルと家族連れが、すでに場所を陣取っていて、花火があがるのを楽しそうに待っていた。


やっぱり私って単純かな……。私たち、別れてなかったらここから花火を二人で見たのかなんて……。


今となっては、和人がどこを調べてくれていたのか分からないけど。


一人なのは私くらい。まわりから見たらかわいそうな奴に見えるかな。


本当にかわいそうな奴だからどう思われてもいいけど。人目なんて気にしない。