ムースを冷蔵庫で固めている間に、携帯の電源を入れる。


「メール見るの怖いな」

「は? なんで?」

「だって昨日からずっと電源切りっぱなしだったし。最初だけしか着信なかったらショックじゃん」


ただでさえ、和人はメールしない人なのに。もう愛想つかして、連絡してきてなかったら思うと怖い……。


リョウくんは私から携帯を取り上げて、中身を確認すると、呆れた顔になる。


「もっと自分に自信持てよ。つい30分前にもメールがきてる。未読23件って送りすぎだろ?」


うっ、嘘……。


「よかっ……た。嬉しい……」


リョウくんから携帯を受け取って、ディスプレイに表示されたメールの未読件数を見て涙が溢れた。


「どんだけ泣くんだよ」


リョウくんの前なのに、声を出して泣いた。メールを一件一件、大切に開いて読んだ。