なんで?


こんな朝早くに、和人のマンションから出てくるの?


オートロックだから和人が入れない限り入れないはず……。


私が反応できなくて黙っていると、木下さんは慌てた顔で口を開く。


「ち、違うんです! 誤解しないで下さいね!」

「何……が?」


服装はスーツでシワがよってる。明らかに昨夜泊まって、朝帰りって感じじゃない。


「昨日、飲み会があったんですけど断片的にしか記憶がなくて……。上田さんに聞いたら、タクシーに乗っても住所が言えなかったから仕方なくここに」


はぁ?


「私はベッドで寝てたし、上田さんはリビングのソファーで寝てたから本当に何もないです! ごめんなさい!」


ああ、もう我慢の限界。
完全にぶちギレた。