「待ってちゃダメ?」

「何時になるか分からないから。鍵……今度、合鍵つくっておくから今日はごめん」


ちょっと膨れながら和人と一緒にマンションを出た。


和人の車を見送って、とぼとぼと一人、家に帰る私。


すごく嫌な女かもしれないけど、木下さんに対してイライラしていた。


なんであの人のミスで和人が動かなきゃいけないの?


なんで私たちの時間を邪魔するの?


誰だって間違いはあるけど……なんか嫌だった。



その日はずっと電話を待ってたけど、メールさえこなかった。


朝一にかかってきた電話。


『連絡遅くなってごめん。電話、待ってたよね』


和人は疲れた声をしていて、遅くまで後始末に追われていたんだって思ったら何も言えなくて……。


「私は平気だから……休める時に休んで」


強がってしまった。