「サクラ、もう帰りな」


5日後の日曜日。

いつもより早くマンションに押し掛けてきた私。


そしていつもは夕方には帰るのに、外が暗くなってもなかなか帰らない私に和人さんは困惑していた。


少しでもいいから……一緒にいたかった。


「遅くなると親が心配するから」


いつまでも帰ろうとしない、私の頭を優しく撫でてくる。


「……今日は遅くなるってお母さんに言ってきた」

「ダメ。危ないから」


なんで?

私が16だから?

犯罪になるから?


ずっと俯いている私の顔を除きこむと、和人さんは大きなため息をついた。