だけど、言ってから後悔した。
胸を触られるぐらい、深町京悟にとったらどうってことないことかもしれない。
だって、彼自身、エッチなヤツなんだから。
絶対、「それがどうしたの? 処女は大げさだねー?」なんてバカにされるに決まってる。
そう思っていたのに……。
「そいつ、誰かわかる?」
スッと顔を覗き込んで、すごく真剣な口調で聞いてくる。
「わっ、わかんない……だ、だって、怖くて……だから、あたしっ」
相変わらず震える声で、あたしはただフルフルと首を横に振った。
「うん。わかった。わかったから。
もう、言わなくていい。
後でとっつかまえてやるから。な?」
ポンポンって頭をなでられた。


