そういえば、このふたり、付き合っていたんだっけ。 今はもう別れてるみたいだけど。 それにしても、できすぎたカップルだなぁ……。 なんて、キレイすぎるふたりの顔をぼんやり見ながらそう思った。 ひとしきり笑ってから 廊下の壁にかかった時計を見た桂木さんは、「あ」と声をあげた。 「そろそろ始まる。もう、行かなきゃ」 「今年も出るの?」 「うん。良かったら応援しにきてよ」 「ああ。後で見に行くよ」 そんな会話が交わされたあと、桂木さんは去っていった。