早く忘れてしまいたくて、ぶんぶんと頭を振る。 「あはは。桃ちゃんてさー、ほんとリアクション王だよねー」 落ち込むあたしとは対象的な、どこまでも能天気な発言にカチンとくる。 「はぁ? 何言ってんの? だいたい、誰のせいだと思ってんのよ! バカー!」 「桃ちゃん、バカとか言ってる場合じゃないって」 「え?」 立ち止まると、くるりと振り返る深町京悟。 スッと顔を近づけてきたかと思ったら、コソコソと耳打ちしてくる。