「やっぱり……そうだったんだ」とアユミが納得したような顔してつぶやいた途端。



1年女子全員の視線があたしに注がれる。



「ちがっ、違う。誤解だってば」




深町京悟のバカー!


何、校内放送を私物化しちゃってんのよ!



おかげであたしは大ピンチに見舞われてるんだってば!



うう……こうなったら。



「あ、あああああああ!」



あたしは大声あげて、彼女達の後ろを指差す。


昨日、深町京悟が使った手。


さすがに2度は効かないかなって内心思ってたんだけど。



「え?」と全員が振り返った。




良かった。


単純な子達で……。



って、感心してる場合じゃないってば!



あたしはまた駆け出す。



「あ! 逃げた!」



背後から誰かの声が聞こえたけど、構わず走り続けた。