「きゃあああ。離してよー」
あたしの体は深町京悟に羽交い絞めにされてしまった。
てか、もうこれ、完全に後ろから抱きしめられちゃってるんですけど……。
彼の胸があたしの後頭部のあたりにあたってる。
ドクンドクン……って
自分の鼓動と彼のそれが響く。
ふたりとも走ったせい?
ううん、きっとそのせいだけじゃないはず……。
うっ……ダメ。
こんなの恥ずかしすぎて、死んじゃう。
彼の体温や香りを感じながら、あたしはジタバタと体を動かす。
「ちょ、じっとしろって」
吐息が耳にかかる。
「ヤダもうー。離してー」
無我夢中で体をねじった瞬間、
腕の力が緩んだかと思ったら、突然体が解放された。
不思議に思って振り返る。
深町京悟はなぜか窓の外、中庭の方をじっと見つめていた。
「深町?」
「見つけた……」


