彼の制服の肘のあたりを両手で掴んでひっぱる。
「ダメ……まだ行かないで?」
「桃ちゃーん」
しょうがないなぁ……と深町京悟は顔をこちらに向けて笑う。
「行かないで……って涙目で言われるとなぁ。
桃ちゃんて、そんな男心をくすぐる可愛いキャラだっけ?」
ってまたからかう。
「ち、ちがっ」
慌ててつかんでいた制服をパッと放す。
「何? どした?」
優しい目で、じっと見つめられて……
あたしは反対に目をそらしてしまう。
大きく息を吐き出す。
彼に言いたかったこと。
1番伝えたかった想いを……
あたしは言葉にするの。


