そのまま足音が遠ざかっていく。
プツンって緊張の糸が切れたのか
あたしの目からは涙がポタリと落ちた。
せっかく決意したのに、やっぱり何も言えなかった。
普段のあたしなら、たとえ無視されても追いかけて、すがりついたかもしれない。
だけど今日のあたしはもうダメだ。
すっかり意気地なしになってしまった。
理由はもうわかってる。
恋……しちゃったから。
彼の態度や言葉に感情が揺さぶられる。
冷たくされるのが怖くて、足がすくむ。
「もー……ヤダ」
胸が痛いよ。
好きな人に冷たくされるのって、こんなにツラいんだ……。
ズズって鼻をすすって、あたしはトボトボと歩きだした。
涙を目にいっぱい浮かべて、はぁ……と大きくため息を吐き出した瞬間……
「ごめん、いじめすぎた」
耳元でそんな声がしたかと思ったら、腕をぐいと引っ張られた。


