「ある人の……力になりたい、なんとかしてあげたい……って思ったんだけど。 あたしにできることなんて何もなかった。 ……って、ごめん。 何のこと言ってるかわかんないよね、こんな説明じゃ……」 昨日聞いた深町京悟の事情を全て話すわけにもいかなくて あたしは俯いて黙り込んだ。 「んー……詳しい事情はわからないけど。 ある人っていうのは深町のこと?」 「え……うん」と、うなずいた。 「好きになった?」 「えぇっ?」 慌てて顔を上げる。 「な、なんで、そう思うの?」