「さっき、京悟は心をかたくなに閉じてるって言ったけど……。
本当は探してるんだと思う」




「探してる……?」




「そう。
無理やりにでも踏み込んで、自分の心をこじ開けてくれるような誰かを……。
ずっと求めてる」




「……」




「あたしは“同類”だからそれがよくわかるの」




最後にニッコリ微笑むと、今度こそ桂木さんはトイレから出て行った。