「ん?」




「今も……好きですか? 深町のこと」




んー……としばらく考え込んで、桂木さんはにっこり微笑んだ。




「今は他に好きな人もいるし、あの頃と同じ気持ちじゃないけど……。
でも、好きだよ、多分。
っていうか、彼と付き合って……嫌いになる女の子なんていないんじゃないかなぁ。
昨日一緒に過ごした桃ちゃんなら、わかるんじゃない?」




「えっ!
あ、あたしですか?
あたしは……別に」



「アハハ!
顔、真っ赤だよ!
ホント、素直だよね」



じゃね……と軽く手をふって、

トイレから出ていこうとした桂木さんは「あ……」と呟いてもう一度振り返った。