「え? ち、ちがっ」 あたしは慌てて足を動かす。 微妙に早歩きな感じで。 「ちがうし。してないってば」 「ウソウソ~。 顔、真っ赤だよ~。 桃ってウソつくのヘタだよね~」 あたしのペースに歩調を合わせながら、晴香がからかってくる。 そんな彼女から逃げようと、あたしはさらに足を早める。