深町京悟はこの先に見えている、曲がり角を指差す。 「あそこを右に曲がって、すぐを左。そしたらゴール」 そっか。 あとふたつ。 あとふたつ角を曲がれば、迷路から出られる。 このバカげたゲームからも、 そして深町京悟からも解放される。 今朝からずっと待ち望んでいたことじゃない。 なのに、今あたしの中にある感情は……。