深町京悟はフッと息をもらし、微笑む。
「ちょっと待ってね」
そう言ってから、目を閉じた。
1…
2…
3……
時間にすれば、10秒もかからなかった。
パチンと目を開けた彼は、首を回してコキコキと鳴らす。
「さて……と、仕上げにかかりますか」
「え?」
「だから、迷路」
歩きだした彼の後を、あたしは慌ててついていく。
「何言ってんの……?
無理だって! ちゃんと上から見て確認しないと、出口なんか見つからないってば」
焦るあたしとは対象的だ。
彼は振り返り、にっこり微笑むと、落ち着いた声でこう言った。
「大丈夫だよ。
迷路なら、オレの頭の中にちゃんと入ってる」


