まるで童話の中の王子様がお姫様の手にキスをするみたい。 その瞬間、さっき屋上にいた時に見た夢を思い出し、カッと顔が熱くなる。 心臓がバクバクと暴れだす。 これはこの空間が特別なせい? あまりにも唐突で現実感がなくて……。 一瞬、深町京悟は本当に王子様で、これは夢の続きなんじゃないか……なんてバカな妄想が頭をめぐる。 「嫌だった……?」 顔をあげた深町京悟が優しい声で言う。 あたしはただ黙って口をギュっとへの字に結ぶ。