「って、……ごめん。こんな話、グロかった?」



深町京悟が申し訳なさそうに、あたしの顔を覗き込んでくる。



人のことより、自分のこと心配しなよ。


思わずそう言いたくなるぐらい、彼の方があたしよりずっとツラそうな顔してる。



そりゃそうだよね。


人が死ぬ瞬間を目撃しちゃったんだもん……。




「ううん。大丈夫だよ」と、あたしは首を振った。



すると深町京悟は声の調子を変え、いつもの口調で言う。



「ま、それから色々あってさ……。
オレの証言によって、ひき逃げ犯が捕まったってわけ。
警察から表彰されて……“お手柄中学生”なんて見出しで新聞にも載ったんだ」