「桃ちゃんの中学ん時の元彼だってさ。
何か事情があったかもよ?」
「え?」
「例えば……だけど。
彼はすんげーツンデレ少年で。
友達の前で、照れ隠しのために、あんな言い方しちゃったとかさ」
「ええっ、まさか」
それはないよとあたしは笑いながら首を横に振った。
「けどさ。ソイツの本心をちゃんと確認した?」
たしかに、そこまでしたわけじゃない。
あの後、あたしは一方的に彼と連絡を取るのをやめたんだから。
彼に弁解の余地も与えなかった。
それはこれ以上傷つきたくなかったから。
「まぁ、そういうわけだからさ。
人って案外、周りが見えてるようで見えてなくて。
事実を知ってみれば、なんだそうだったんだ……って感じることって、実際多いんだよ」


