「それにしても……」とあたしは深町京悟に声をかけた。 「ねぇ、ひょっとして、いつもこんなことしてるの?」 「ん? こんなことって?」 「だから。 勝手に鍵開けて、屋上きてんの?」 「まぁねー。 あ、これヒミツね」 深町京悟は意味深な笑みをうかべて、口元に人差し指をあてた。 「桃ちゃんはさぁ……。 ひとりになりたいことってない?」