やがて深町京悟の足がとまった。
目の前にあるのは屋上へと通じる扉。
「え? 何? 屋上?
こんなとこ、出られるわけないじゃん」
屋上は立ち入り禁止になってる。
このドアだっていつも鍵がかかってるはず。
なのに、深町京悟はなんのためらいもなくドアノブに手をかける。
「ここの鍵ちょろいんだよね。コツさえつかめば、簡単に開けられる」
さらにニッと笑うと、ポケットから2本の針金を取り出した。
それを見たあたしは目を丸くして驚く。
「ちょ、それピッキングじゃん。
そんなことできるんなら、この手錠もはずしてよー!」