結可子とは、お互いが嫌になって別れたわけではなかった。
ケンカして別れたとかじゃなく。
お互いに………好きだったから。
俺は………。
会議所の仕事に慣れ、ある程度身の回りのことが落ち着いてから、結可子と結婚しようと思っていた。
ただ、運が悪かっただけ。
タイミングが悪かっただけ。
もし、あの時俺が。
結可子を引き留めていたら。
『親の言いなりになって勝手に結婚するんじゃねぇよ!!』
『俺と結婚しろ!!』
って、言って。
アイツを抱きしめて離さないで。
『俺が、結可子のこと幸せにしてやるから!!』
―――――そう言ってたら。
俺は今頃……………
俺、何してんだろ。
何やってんだろ………
“そんな浮ついた気持ちでいたら、婚約者に失礼だよ”
!!!
バカだ、俺―――――
浮ついてんじゃねぇよ………俺!!
結可子の台詞が、俺の目を完全に醒ましてくれた―――――



