「―――――ありがとうございました」
警察の奴らに挨拶をし、署を出る。
今は11月―――――
仙台の夜11時ともなると、凍てつく寒さだ。
「ああ~っ―!!さみぃ~っ!!」
ほんの気休めにしかならねぇって解っちゃいるが、デカい声でも出さないと、寒くていらんねぇ。
「さて……っと、このお嬢さんをばあさんの家まで送らないと………な」
「……………」
ずっと、俯いて黙ったまま。
俺の肩に抱かれ、寄り添う結可子―――
「………加東、ばあさん家(ち)ってこの近くか?」
「………」
「歩いていける距離か?」
「………」
「おい!ったく黙っていねぇで…俺の事呼んどいて、警察の奴らの前でも一言も喋らねぇし………」
「………」
「おい………かと―――おいっ!!」
足元から崩れ落ちるように、結可子は地べたに尻を付け、座り込んでしまった―――――
「結可子?どうした?!俺、何か言ったか?」
俺は、結可子と目の高さまで体勢を低くし、訊ねた。
結可子はゆっくりと顔を上げ、夜空を仰ぎ、
“はあ………っ”と、一つ大きな溜息を吐く。
「―――――怖かったぁ………こんな歳だし…自分は襲われるなんて絶対ないって思ってたから………」
また一つ、深呼吸した後の、大きな溜息―――――



