ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】





「―――――仙台港方面へ」


俺は、そんなイライラしたドライバーの事などお構いなしに、行き先を告げる。

「ハイ、りょーかーい」

テンションも声も低めに応答する、中年オヤジドライバー。
何だよ、おい!!
その返事はねぇだろ?

一言もの申してやろうかと思ったけど、ケンカになりそうなので止めた。
それでなくても、こいつ合流できなくてイライラしてるみてぇだし。


「ふう………」


深くシートに腰をかけ直すと同時に、思わず長く深い溜息が出た。


仙台港方面を告げたのは、多賀城にあるエリの家が近いから(仙台港から車で10分程度)。

何かあったとき、すぐに行けるだろ?


それともう一つ。
………あの一帯は小綺麗なラブホテルが多いから。

俺、基本的にホテルは“キレイなところ”しか泊まらないようにしている。


だって、汚ねぇところだと落ち着かねぇし、だいいちする気になれねぇ!!


………“けんのんたかり”の性分ゆえ、ししゃねっちゃ!!
(※「潔癖性の性分ゆえ、仕方ないだろ!!」…の仙台弁)