タクシーを拾う為、定禅寺通に出る。
11月の始めともなると、ケヤキの葉も黄金色に衣装替え。
それは昼の表情―――――。
夜しか見られない、漆黒に浮かび上がるケヤキ並木のシルエット。
思わず、心奪われる。
その多面性を秘めた妖艶な景色に、俺の理性が疼く。
ふと隣を見ると、空を仰ぐエリの凛とした表情。
―――――エリも同じ景色を見ているのだろうか?
そうだ。
きっと、同じ景色を見ているはず。
だって俺たちは―――――
永遠の愛を胸に、これから“人生”をいう路を、共に歩むのだから。
こうして、二人寄り添って共に生きていける女性に、俺はやっと出逢えたんだから。
あとひと月で、このケヤキ並木もオレンジ色の光のヴェールに包まれる。
今年の12月も、来年の12月も、再来年の12月も。
ずっと、ずっと。
二人並んで。
同じ光を見る―――――



