“お前………何言ってんだよ………ワケわかんねぇよ”
男勝りな結可子はいつも、俺にたいして上から目線な物言いで。
意見がぶつかってケンカになることもしょっちゅう。
二人で声荒げて言い争いは、殴り合いになりそうなくらいに烈(はげ)しい。
三日ぐらい口聞かないなんて事もざら。
でも、気が付くと、お互い普通に話しかけて、いつも通りに会話して。
気が合う時は下らないバカ話で盛り上がって………。
その繰り返しだった。
男友達と何ら変わりなくて。
一緒にいるのが当たり前、みたいな………。
それが………俺を好き………?
“ゴメン、水嶋………あたし帰る………”
“………結可子!!”
バッグを持って起きあがろうとした結可子の左手首を咄嗟に掴んで、名を呼んだ。
俺が……………初めて、アイツを【名前】で呼んだ瞬間でもあった。



