ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】



「あ………あははは…は………アタシ、そんなんしっかりなんて………ねぇ?お母さん………?」


苦笑いするアタシ。

ふと、隣のお母さんに目をやると、さっきまでの表情から一転。




「―――――水嶋さん、ありがとうございます」





深々と頭を下げ、しゃんとした背筋に戻す。


「衣理は………私がいうのもおかしな話でございますが、自慢の娘です」

「おかあ……さん」


初めて見る、凛々しい母の横顔。
真っ直ぐ、シンのおかーさんを見詰めている。


母なりの覚悟の表れなのだろうか?
和服が、母の表情を引き立たせる。


「ただ、『こうと自分で決めたらそれ以外目に入らない』ところがありまして………今更ながらではございますが、却って水嶋家ご迷惑かけてしまうのではないかと、正直ハラハラしております………」


「衣理さんのお母様、それはご心配なく………」


シンと同じ顔で、柔らかく微笑むシンのおかーさんが返す。


「それは真一も同じ。衣理さんより8歳上なのに、まだまだ子供。今時の若い方には珍しくしっかりした娘さんでいらっしゃいます。ご両親や御祖母様の育て方がよろしかったんだと思っています」




「水嶋さん………」




シンのおかーさんのコトバに、母が俯いた。